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【独学】2級建築士試験、合格の手助けをしてくれる建築系Youtuberと、その活用法 -学科編-

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令和3年二級建築士試験に合格しました。(やったー。)

資格学校や通信教育は利用せずに学科・製図共に独学で臨み、学科試験の得点は
97/100点(計画25 法規25 構造24 施工23)でした。

そこで、今回の記事から何回かに分けて、独学合格するために考えたことや、実際に僕がやったこと、当日の体験談などを紹介していこうと思います。

まず第一回として、記事タイトルの通り、学科試験を独学で合格するにあたり、勉強の参考にさせてもらった建築系Youtuberと、その活用法を紹介したいと思います。

 

この記事はこんな人にオススメ

  • 二級建築士学科試験を資格学校に通わずに受験することを決めた人
  • 二級建築士学科試験勉強で参考になるYoutuberをまとめて知りたい人
  • 二級建築士学科試験勉強におけるYoutubeの活用方法を知りたい人

 

 独学受験者がYoutubeを活用するメリット

2021年現在、10年前では考えられないくらい多くのYoutuberがいらっしゃいます。
ニッチなジャンルに特化したチャンネルも数多く存在し、建築系Youtuberもその一つでしょう。
僕自身も独学を決めて勉強を開始した頃、ネットで多くの情報を集めました。
その中で所謂、建築士試験に役立つYoutubeチャンネルのクオリティの高さに気づき、多く助けられたと感じました。

まずは、メリットを紹介します。

 

  Youtubeを活用するメリット

  1. 初歩の初歩から教えてくれる講義系動画が既に多くある
  2. 市販参考書のビジュアル解説不足を補える
  3. 市販過去問の解答解説の不十分さを補える
  4. モチベーション維持するためのチャンネルがある

 

この4項目ですが、裏を返せば独学におけるデメリットとも言えます。
これらの弱点をカバーするために、僕はYoutubeを使い倒しました。

 

 初歩の初歩から教えてくれる講義系動画が既に多くある

まず勉強を始めると、「範囲広すぎて右も左もわから〜ん」ってなったり、「参考書開いても文字ばっかりで全然理解が進ま〜ん」ってなる人も多いと思います。
特に勉強初期の『法規』と『構造(力学)』で起こりがちで、実際に僕がそうでした。
資格学校だと体系立てて講義をしてくれると思いますが、今の時代はYoutuberの方々が助けてくれます。(神様に見えます!!)

 

 市販参考書のビジュアル解説不足を補える

これは特に『計画』『施工』で問題にぶち当たります。
特に施工は顕著で、例えば。

[防水層の施工について]
アスファルトプライマーは、下地が十分乾燥したら清掃を行ってから塗布します。ルーフィング張付けはプライマーを塗布した次の日に…
下地コンクリートの打ち継ぎ箇所には、幅50㎜程度の絶縁用テープを張り付けてから、その上に幅300㎜以上のストレッチルーフィングを…
………

配管回りの立上がりの収まりは…


ざっくりですが、このような感じで延々と文章が続き、「はい?」「なに?」ってなります。

実務経験豊富な方は文字でも理解できると思いますが、二級建築士なので受験者の多くは実務経験が不足してるのではないでしょうか。
市販参考書の最大の弱点は、文字ベースの解説が大半を占め、ビジュアルでの解説が不足していることだと思いました。
ここも、今の時代は有難いことに、実際の施工過程をYoutuberさんが豊富にアップロードしてくれています。

 

 市販過去問の解答解説の不十分さを補える

建築士試験は、過去20年の試験問題を完全に暗記すれば、100%学科合格ラインを超えると言われる試験です。
そのため、過去問の周回は欠かせない工程になります。
勉強法を検索すると「過去問だけやれば良い!」と言ってる人もいるくらいです。
そして実際、過去問に取り組むことになりますが、解説を読んでもイマイチ理解が及ばない場面が必ず出てきます。
そんな時に検索をかけたら、実際に過去問を解いて丁寧に解説してくれる仏のようなYoutuberさんもいることがわかりました。(お世話になりました!!)

 

 モチベーション維持するためのチャンネルがある

独学者は孤独とモチベーション維持が大きな課題だと思います。
勉強しなくても誰にも怒られませんし、忙しくて後回しになっても誰にも迷惑かけないので問題ありません。時にはお酒の誘惑や、遊びのお誘いがあるかもしれません。
自宅に帰ると、ついついテレビを付けてしまい、気づけば24時なんてこともあるかもしれません。
資格学校に通えば勉強せざるを得ませんし、学校の仲間やフェローの存在は独学者が考える以上に強みなんだと思います。

 活用したYoutubeチャンネル『5チャンネル+1つ』

まずはざっと一覧です。5チャンネルとおまけが1つ。
おまけは、作業用BGMとして活用した、自然音が豊富なチャンネルです。

 

  活用したYoutubeチャンネル

  1. ミカオ建築館 (講義形式、主に法規の理解として活用)
  2. すちノリ (講義形式、構造力学の理解として活用)
  3. 想アーキテクツ (施工映像多数)
  4. 建築士マニア/はまちゃん (コンテンツの充実度はNo. 1)
  5. おしゃべり建築士 (過去問解説動画と質問回答ライブ配信
  6. おまけ:kazephoto _ 4 K 癒しの自然風景 (作業用BGM)

 

これらのチャンネル以外でも、多くの動画を視聴し、理解を深めました。
単発で視聴したチャンネルも多くありましたが、ここでは、勉強期間中に継続的に活用させてもらったチャンネルを紹介します。

そして、この場を借りて、全ての視聴した全ての動画投稿者にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!!
一級建築士試験受験の際もよろしくお願いします!!

 

では、一つずつ紹介します。

 

 ミカオ建築館


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東京大学・大学院修了、現在は東京家政学院大学生活デザイン学科教授のすごい先生です。
本名の原口秀明名義で書籍も多数出版されており、『建築系Youtuber』の中では、他チャンネルを圧倒する実績と信頼度を誇るチャンネルだと思います。

4科目満遍なく動画化されてますが、特に利用したのは法規での活用です。
初めて触れる内容に挑む時に、参考書と問題集を片手に、該当する項目を試聴してから問題を解くというやり方で利用しました。

本当に分かりやすいし、試験を意識された内容になっていて、無駄がないと感じました。

チャンネル内の再生リスト『建築法規』の0〜34は絶対に見て損はしないと思います。
ミカオさんは僕とって神のような存在です。

 

 すちノリ


www.youtube.com

 

構造力学は過去10年、毎年6問も出題されてます。
当然、後回しはNGで、苦手な人も優先的に取り組まないといけません。

すちノリさんの良いところは、『初歩の初歩から解説』してくれる事です。

「学生の頃勉強したけど、構造力学の内容なんて忘れたよ〜」って人も、是非チャンネル内を一週してみて下さい。う〜っすらと記憶が呼び起こされるはず。

僕の場合は、先ずはチャンネルを1週視聴して全体像を把握し、その後に問題集の該当分野の動画をもう1度視聴し、それから解いてみる。
解けなかったら動画をもう一度見直して理解する。
この繰り返しで構造勉強の初期の頃に活用させて貰いました。

建築系Youtuberの中でも二級建築士構造力学』に絞った構成の親切チャンネルです。

 

 想アーキテクツ


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令和3年の二級建築士合格者の構成は『24歳以下が60.1%』なんだそうです。
恐らく多くの受験生は圧倒的な実務経験不足だと思います。

施工の勉強を始めると、次から次へと専門用語が飛び交い、市販の参考書を開いても『ビジュアル解説が圧倒的足りない』事に気づきます。

法規や構造はそこまでビジュアル解説の必要性はほぼ感じませんでしたが、計画と施工は丸暗記科目なので結構苦しいです。
資格学校の参考書は見たことがありませんが、恐らくここが補強されてるのかなと思います。

この部分をサポートしてくれる素晴らしいチャンネルがこの『想アーキテクツ』です。

アスファルト防水?
場所打ちコンクリート杭?
平板載荷試験?

イメージし難い用語が出たときに検索にかける活用法が良いかと思います。

チャンネル内の再生リスト『現場に見る建築実務プレミアム100』シリーズはお世話になりました。

 

 建築士マニア/はまちゃん


www.youtube.com


www.youtube.com

 

一級建築士はまちゃん先生による、一級建築士二級建築士の学科試験に特化したチャンネルです。
現在も定期的に新作動画が投稿され、4科目の網羅度・チャンネルコンテンツの充実度はトップクラスだと思います。

僕の場合は、試験勉強中盤戦と最終盤で活用させてもらいました。

中盤戦は、全科目の内容をテキストを使って一通り理解した後。
問題集を本格的に取り組んだ際、アウトプットが上手くできない問題の動画を探して、部分的に知識の整理と補強をする活用法です。
だいたいあります。網羅度は本当にすごいです。

最終盤はちょうど試験約2週間前から。
出題範囲が広すぎる割に、毎年2題しか出題されない『日本・世界建築史』の要点をまとめた動画を一気に視聴しました。丸暗記用です。
チャンネル内の再生リスト『けーかく』にある『建築士試験【計画034〜052】』のタイトルが建築史関連動画です。

少し本題とはそれますが、僕の場合は、建築史を過去問7年分と先生の動画の丸暗記のみで済ませ、令和3年の建築史の設問は、無事2問共に正解できました。
特に1問目は動画内にある内容がクリティカルヒットで、良いスタートを切れたのを覚えています。

建築史が苦手な方は、是非視聴してみてください。

 

 おしゃべり建築士


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試験勉強も終盤戦になると、過去問を何度も解くことになると思います。
解いて答え合わせを繰り返し、間違った問題は解説を読んで理解して覚える。
その過程の中で『どうしても過去問の解説では理解しきれない』問いに当たったときに助けてくれるチャンネルです。

現在は、平成30年〜令和2年までの過去問までフォローされていて、一級建築士のチャンネル主さんが『実際に問題を解いて、解説をしてくれる』という内容です。

『おしゃべり 二級過去問 H30 法規』などで検索すると早く辿り着くと思います。

 

 

また、おしゃべり建築士さんは定期的に『受験生を励ましたり、質問に答えたりしてくれるライブ配信』を開催してくれています。
やる気の出ない時は少し覗いてみてはいかがでしょうか。


www.youtube.com

 

独学受験者は基本的に孤独で、モチベーション維持が大きなテーマになると思っています。
僕がこっそりお邪魔した時も、同年の受験生と思われる方々が様々な質問をされていて、「もっと頑張らないと!!」と良い刺激になりました。
『おしゃべりライブ』良い刺激になるかもしれません。

 

 おまけ:kazephoto _ 4 K 癒しの自然風景


www.youtube.com

 

愛知県在住、写真家の方のチャンネルです。
中部地方を中心として、川のせせらぎ・湧き水・雨など様々な自然音を、4K映像で楽しめます。
長時間の映像だと、10時間超えるものもあります。
勉強中の利用ということで、映像を楽しむ余裕はありませんでしたが、集中力の向上と持続のために、たくさん利用させてもらいました。

おまけで紹介しましたが、実は結構オススメです。

 

 おわりに

Youtubeで得られる情報が豊富で、資格学校に通う必要を感じなくなったことが、僕が二級建築士試験を独学で臨むことにした、大きな理由の1つです。

そして、資格学校に通うと数十万円の受講料がかかり、お財布へのダメージは大きいです。

紹介したチャンネルは、独学で勉強を進めていく上で本当に有益な情報を提供してくれます。
良いなと思った方は、是非チャンネル登録してみてください。